ジョムティンの午後。 空は薄曇り、風は穏やか。 先生は、ビーチ沿いのカフェで待っていた。 そこに現れたのは、中学時代からの親友——ユウスケだった。 彼は家族を連れて、タイ旅行の途中でジョムティンに立ち寄った。
「変わってないな」とユウスケが笑った。 「いや、変わったか。なんか、風みたいになってる」
先生は笑いながら、彼の子どもたちにジュースを渡した。 小さな手がグラスを握る様子に、時の流れを感じた。
ビーチでは、子どもたちが砂を掘り、奥さんが写真を撮っていた。 先生とユウスケは、波打ち際を歩きながら、昔話を始めた。
「俺さ、16歳からバイク乗ってたじゃん」 「覚えてるよ。あの時の原チャリ、夜の峠道」 「17の時はTZR250だった。あれで街を抜けて、海まで走ったこともあったな」 「お前、あの頃から“自由”に投資してたんだよな。金じゃなくて、時間とリスクに」
先生は、静かに頷いた。 「今は、リスクを“問い”として見るようになった。 昔は、ただアクセルを開けてたけど、今はその先に何があるかを考えるようになった」
ユウスケは、少し黙ってから言った。 「俺は、家族を持ってから、守ることばかり考えてる。 でも、お前と話すと、“問い”って言葉が、なんか心に残るんだよな」
夕暮れが近づき、空が金色に染まった。 先生は、ユウスケの家族と一緒に記念写真を撮った。 その瞬間、何かがほどけたような気がした。
その夜、先生は日記にこう記した。
「投資も創作も、問いの連続だ。 だが、親友との再会は、問いを忘れさせてくれる。 それは、答えのような時間だった。 僕は、問いを持ち続ける。 でも、時には、波音の中で問いを手放すことも、必要なのだ」

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