第3章 アジア各地での投資と生活

3.17 サヌールのアトリエ

3.17 サヌールのアトリエ—描かれない風景と、南洋の静けさ—バリ島・サヌール。 空港から車で30分ほどの海辺の町。 クタやウブドの喧騒とは違い、ここには“静けさの品格”があった。トシ先生は、早朝の海岸を歩いていた。 漁師たちが網を引き、遠...
第3章 アジア各地での投資と生活

3.15 記憶の編集

3.15 記憶の編集—過去をたどり、未来を編む—東京の午後。 書斎の窓から差し込む光が、旅のノートのページを柔らかく照らしていた。 トシ先生は、静かに椅子に腰かけ、過去の記録を一枚ずつめくっていた。カンボジアの市場で出会った果物売りの少年。...
第3章 アジア各地での投資と生活

3.14 風の手紙

3.14 風の手紙—記憶のページと、次の旅へのまなざし—講義の最終日、教室の空気はどこか名残惜しさを帯びていた。 若い技術者たちは、それぞれの問いを胸に抱え、静かに先生の言葉を聞いていた。 「皆さんがこれから歩む道は、技術の道であると同時に...
第3章 アジア各地での投資と生活

3.13 問いの芽生え

—教えることの終わりと、旅の予感—講義が始まって三週間が過ぎた頃、教室の空気が少しずつ変わってきた。 最初はノートを取ることに必死だった若者たちが、今では先生の問いかけに自分の言葉で応えようとしている。 トシ先生は、それを静かに見守っていた...
第3章 アジア各地での投資と生活

3.12 東京の教室にて

3.12 東京の教室にて—技術を超えて、人を育てるということ—成田空港に降り立ったトシ先生は、湿度の高い日本の夏に少し戸惑いながらも、 どこか懐かしい空気に包まれていた。 ケップの静けさがまだ耳に残っている。 だが、今は新たな役割が待ってい...
第3章 アジア各地での投資と生活

3.11 風の継承

3.11 風の継承—若者との出会いと、未来への静かなまなざし—ケップの図書館は、午後になると地元の若者たちが集まってくる。 英語の勉強をする者、静かに読書にふける者、そして、ただ涼みに来る者。 トシ先生は、田村さんと並んで座りながら、彼らの...
第3章 アジア各地での投資と生活

3.10 静寂の中の問い

3.10 静寂の中の問い—ケップの海辺で、存在と時間をめぐる対話—ケップの朝は、まるで時の流れが緩やかになったかのようだった。 波の音が一定のリズムで耳に届き、ヤシの葉が風に揺れる音が、静かに心を撫でてくる。トシ先生は、海辺のベンチに腰を下...
第3章 アジア各地での投資と生活

3.8 シェアヌークビルの日本人と“金利生活”の記憶

3.8 シェアヌークビルの日本人と“金利生活”の記憶—物価10分の1、金利10%、そして消えた“永遠の楽園”の住人たち—トシ先生がシェアヌークビルを初めて訪れたのは、10年以上前のことだった。 カンボジア南部、タイ湾に面したその海辺の町は、...
第3章 アジア各地での投資と生活

3.9 消えた金利生活者を追って

3.9 消えた金利生活者を追って—田村さんの足跡と、変わりゆく楽園の記憶—シェアヌークビルの空は、以前よりも騒がしくなっていた。 高層ホテルの窓に反射する太陽、カジノのネオン、そして建設現場の騒音。 トシ先生は、かつての静かな海辺の町が、別...
第3章 アジア各地での投資と生活

3.7 トシ先生と佐野、チェンマイで再会する(2)

「先生、人生って“余白の使い方”なんですよ。 予定を詰めるより、空白をどう過ごすか。 それが、成熟の証だと思うんです」その言葉に、トシ先生は深く頷いた。 二人は、チェンマイの静かな午後の光の中で、 “持たない暮らし”の先にある“感じる人生”...