第1章 旅の原点と人生の転機

1.2.旅の原点と人生の転機(2)

1997年、上海。 貨物船の甲板から降りた瞬間、 空気が違った。 湿度と熱気が混ざり合い、 都市の欲望が、皮膚に触れてくるようだった。大通りの角に、小さな店があった。 鉄の蒸籠から立ち上る湯気。 小籠包、一籠、数元。 それは、値段ではなく“...
第1章 旅の原点と人生の転機

1.1.旅の原点と人生の転機(1)

—26歳、貨物船の甲板で風を知る—人生が動き出す瞬間は、いつも静かだ。 誰にも告げず、誰にも祝われず、 ただ、風のように始まる。 世界の広さに気づいたとき、 僕は何かを得ようとしたのではない。 何かから離れたかったのかもしれない。 欲望の声...
第0章 プロローグ

0.2 プロローグ(2)

僕の名前は、トシ。 厳格なサラリーマンの父と、専業主婦の母のもとで育った。 資金もノウハウもなかった、普通の家庭。 お金も、学歴も、何もなかった。 ただ、祖父が絵描きだった。 自由で、創造的で、風のように生きる人だった。 僕は、その背中に、...
第0章 プロローグ

0.1 プロローグ(1)

「不条理に意味を求めるのではなく、それに反抗することで人は自由になる。」 — アルベール・カミュ世界は、思い通りには動かない。 数字も、計画も、予測も、時に裏切る。 それでも僕は、歩き続けてきた。 地図のない道を、風の向くままに。投資は、未...