第1章 旅の原点と人生の転機

第1章 旅の原点と人生の転機

1.2.旅の原点と人生の転機(2)

1997年、上海。 貨物船の甲板から降りた瞬間、 空気が違った。 湿度と熱気が混ざり合い、 都市の欲望が、皮膚に触れてくるようだった。大通りの角に、小さな店があった。 鉄の蒸籠から立ち上る湯気。 小籠包、一籠、数元。 それは、値段ではなく“...
第1章 旅の原点と人生の転機

1.1.旅の原点と人生の転機(1)

—26歳、貨物船の甲板で風を知る—人生が動き出す瞬間は、いつも静かだ。 誰にも告げず、誰にも祝われず、 ただ、風のように始まる。 世界の広さに気づいたとき、 僕は何かを得ようとしたのではない。 何かから離れたかったのかもしれない。 欲望の声...