3.4 ユウタ、自分の哲学で初めての投資判断
—ラオスのタワーマンションと“まだ早い”という確信—
ユウタは、ラオスの首都ビエンチャンに滞在していた。 東南アジアの中でも、まだ開発の余地があるとされるこの国に、彼は静かな可能性を感じていた。
ある日、現地の不動産業者から紹介されたのは、建設中のタワーマンションだった。 中心地から車で15分ほどの場所。 周囲には政府機関や新興のカフェが並び始めていた。 価格は約1,000万円。 手付金は500万円。 そして、購入者には10年間の長期滞在ビザが付与されるという。
「ここは、これから伸びますよ。外国人も少しずつ増えてます」 と、業者は自信を持って語った。
ユウタは、モデルルームのバルコニーに立ち、街を見下ろした。 遠くにはメコン川が流れ、夕暮れの空が街を柔らかく包んでいた。 通りを歩く人々は、どこか穏やかで、あたたかい。 彼は思った。 「この国で暮らしてみたい。ラオスの人々の中で、静かに生きてみたい」
だが、彼の中で、もう一つの声が囁いていた。 それは、トシ先生から受け継いだ“確率的確信”という哲学だった。
「この物件は魅力的だ。価格も手頃。ビザも付いている。 でも、街のインフラはまだ整っていない。 賃貸需要も、数字では見えない。 僕の“確信”は、まだそこまで育っていない」
彼は、購入を見送った。 それは、感情ではなく、哲学に基づいた判断だった。
「暮らしてみたい。でも、投資としてはまだ早い。 僕は、旅人ではなく、投資家としてここにいる」
その夜、ユウタはノートにこう記した。 「ラオスは、心に残る国だった。 でも、僕の哲学は、今はまだ“待つ”と言っている」
この判断は、彼にとって初めての“自分の哲学”による投資判断だった。 買わないという選択こそが、彼の確信の証だった。
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