0.1 エピログ(1)

第0章 エピローグ

「不条理に意味を求めるのではなく、それに反抗することで人は自由になる。」 — アルベール・カミュ

世界は、思い通りには動かない。 数字も、計画も、予測も、時に裏切る。 それでも僕は、歩き続けてきた。 地図のない道を、風の向くままに。

投資は、未来を読む行為だと言われる。 でも本当は、未来を信じる行為なのかもしれない。 旅もまた、信じることから始まる。 見知らぬ街の空気を、 知らない人の笑顔を、 自分の直感を。

僕は、教壇に立つ半年と、旅に出る半年を繰り返してきた。 バックパックひとつで、アジアを歩きながら、 時にはホテルの窓から朝焼けを眺め、 時には市場のざわめきに耳を澄ませる。 そのすべてが、僕の投資のヒントになった。

チャートよりも、風景を見た。 統計よりも、人の声を聞いた。 そして、数字の裏にある「気配」を感じ取った。

カミュは言う。 「人生は不条理だ。だが、それに向き合うことで人は自由になる。」 僕は、失敗も、孤独も、偶然も、 すべてを受け止めてきた。 それらは、僕の旅の一部であり、 僕の投資の一部でもある。

ここで綴られるのは、 事実と創作のあいだにある、僕の記憶だ。 それは履歴書ではなく、航海日誌。 それは報告書ではなく、 風に耳を澄ませた者の、ささやかな記録だ。

ページの間には、数字にならなかった感情がある。 チャートに映らなかった決断がある。 そして、誰にも語らなかった問いがある。

僕は、問いを持って歩いてきた。 なぜこの国では信頼がこう扱われるのか。 なぜこの投資は裏切りに似ているのか。 なぜ、僕はまだ歩いているのか。

答えは、いつも遅れてやってくる。 時には、来ないまま終わることもある。 でも、問いを持ち続けることで、僕は自由だった。

この本に綴られるのは、 旅の記録ではなく、問いの痕跡だ。 それは、誰かの始まりになるかもしれない。 まだ見ぬ読者の、まだ見ぬ旅の、風の予感になるかもしれない。

だから僕は、書く。 問いを残すために。 次の時代の点と線を噤むものに、託すために。

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